漢方薬辞典

ぼうふうつうしょうさん

防風通聖散

説明

◯生活習慣の乱れから溜まった老廃物に

防風通聖散は「熱証」「水滞」に向く処方で、清熱・解毒・利水を主としている構成です。体内に停滞した老廃物に対し、解毒・排泄を促すことを目的としています。そのため、運動不足や食生活の偏りによって身体の代謝機能が落ち、皮下脂肪(メタボリックなど)、高血圧、浮腫、便秘などの症状が表出している場合に用います。

◯体力がある方への利尿・排膿・瀉下作用

構成生薬としては、主に利尿作用の石膏・白朮・滑石、排膿作用の桔梗・川芎・連翹、清熱・瀉下作用の黄芩・大黄・石膏・芒硝などがあります。一般的に痩せ薬として、認知されていますが、決して万能薬ではありません。大黄や芒硝が含まれているため、特に体が冷えている、胃腸虚弱、下痢気味の方には使用の注意が必要です。体力がある方への処方が適切です。

◯その他補足

なお、甘草が含まれていることから、多量服用による偽アルドステロン症などの副作用には十分注意しましょう。また、麻黄に含有するエフェドリンは交感神経刺激作用や中枢神経興奮作用も知られており、高血圧・心筋梗塞や狭心症の既往や危険のある方、高齢者などには原則として用いない方が良いでしょう。

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