漢方薬辞典

りゅうたんしゃかんとう

竜胆瀉肝湯

説明

◯尿路系の痛み・腫れ・出し渋りに

竜胆瀉肝湯は「熱証」や「湿熱証」に向く処方で、特に尿路系の滲出に伴う炎症(尿道・膀胱・外陰部の充血、痛み、腫れ)のある場合に用いられます。東洋医学では「下焦の湿熱」と言われ、下腹部(主に泌尿器系)の炎症によって尿をはじめとした排泄物を上手に捌けずにいることを指します。膀胱炎や尿道炎、尿が濁る、排尿時痛がある、尿のキレが悪い、女性のおりもの(帯下)の増加などの症状があり、本処方はそれらに適しています。

◯清熱・補血作用で炎症、利水作用で尿の通り

構成生薬のうち、清熱作用を持つ竜胆・山梔子・黄芩は瀉火薬と言われ、炎症をおさめる効果を期待できます。また、利水作用の沢瀉・車前子は湿を捌くことで炎症によって尿が出し渋る状態や滲出を改善します。また、滋潤・補血作用のある地黄・当帰は、炎症によって発生した充血や腫れに対し、血液循環を促す生薬として配合されています。

◯精神的興奮にも有効

消炎・解熱・鎮静・滲出の抑制・利尿作用を持ち合わせるだけでなく、肝臓・胆嚢・生殖器系の滲出を伴う炎症にも適しています。また、瀉火・清熱・利水は精神的な興奮(イライラ・怒りっぽい・のぼせ・不眠)を鎮める作用も期待できます。

◯その他補足

なお、甘草が含まれていることから、多量服用による偽アルドステロン症などの副作用には十分注意しましょう。

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