漢方薬辞典

ごことう

五虎湯

説明

◯炎症性の激しい咳や呼吸困難に

五虎湯は、急性の炎症性呼吸器疾患による熱性の強い喘息・呼吸困難・咳嗽喀痰に対して用いられます。

◯桑白皮で、消炎・鎮咳作用を強化

「麻杏甘石湯:止咳・化痰・平喘作用を持つ麻黄・杏仁を中心に、清熱の石膏を配合」に消炎性利尿・去痰・鎮咳作用を持つ桑白皮が加えられ、肺熱が強く、黄色く粘った痰の絡む咳には、本処方が向いています。構成生薬の内、石膏と桑白皮の組み合わせが炎症性の毛細血管の透過性を抑制して滲出を抑え、麻黄・杏仁・桑白皮は平滑筋痙攣を緩和して呼吸困難を改善し、鎮咳の効果をもたらします。

◯その他補足・研究豆知識

麻杏甘石湯での実験ですが、麻杏甘石湯を構成する4生薬の石膏・杏仁・甘草・麻黄を一緒に煎じた場合と別々に煎じた場合、鎮咳効果に大きな差があり、後者は活性が著しく低下することが知られています。煎液中のエフェドリン含有量に差があることから、一緒に煎じることで麻黄のエフェドリンの煎出を他の生薬が助けていることが考えられています。なお、甘草が含まれていることから、多量服用による偽アルドステロン症などの副作用には十分注意しましょう。また、麻黄に含有するエフェドリンは交感神経刺激作用や中枢神経興奮作用も知られており、高血圧・心筋梗塞や狭心症の既往や危険のある方、高齢者などには原則として用いない方が良いでしょう。

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