◯気虚タイプの高血圧、動脈硬化症に

釣藤散は「気虚」の肝陽化風に向く処方で、「虚熱」による頭痛・ふらつき・手足の震え・痙攣などの自覚症状を持っている方や、高血圧症や動脈硬化症の方に用います。

◯釣藤鈎を中心としたバランスの取れた処方

平肝熄風（へいかんそくふう）作用の釣藤鈎（チョウトウコウ）で脳血管を拡張することに加え、防風・菊花による止痙作用で、頭痛やふらつきを改善します。また、瀉火作用を持つ石膏が炎症症状による熱を冷まし、イライラ感を除きます。鎮静・健胃作用を持つ半夏・茯苓・陳皮・生姜が配合されているため、胃腸虚弱者にも適しており、長期服用の弊害も少ないとされています。

◯その他補足

甘草が含まれていることから、多量服用による偽アルドステロン症などの副作用には十分注意しましょう。