漢方薬辞典
じゅうぜんたいほとう
十全大補湯
|説明
◯疲労・貧血傾向が強く、体力が低下した方に
十全大補湯は「気血両虚」に向く処方で、身体の機能や物質(栄養)が不足・低下している状態に対し、補剤を中心に機能面・物質面を補っていく目的で構成されています。
◯消耗・不足した気血を補い、回復を促進
補血活血作用を持つ「四物湯」と補気健脾作用を持つ「四君子湯」を合わせた「八珍湯」に、さらに補気を高める黄耆と補陽散寒作用を持つ桂皮を配合しています。上記の作用から、気虚により元気や気力がなく、消化が悪く食欲も低下する状態に加え、血虚により顔色が悪い・目が霞む・爪がもろいなどの症状を抱えている方に適しています。また、大病後や術後・慢性疾患により著しく虚弱な方への臨床応用などにも用いられています。
◯その他補足
なお、甘草が含まれていることから、多量服用による偽アルドステロン症などの副作用には十分注意しましょう。