◯補血剤の基本処方

四物湯は「血虚」に向く処方で、補血剤の基本処方になります。全ての構成生薬に血を補う作用があります。ただし、血虚が単独で発生することは少ないので（血虚は複合的な要素で発生するため）本処方を単一で使用することはほとんどありません。特に虚証の場合は単一で服用すると、お腹を壊すこともあるので注意です。地黄に含まれる主成分のカタルポールなどによる瀉下作用が関与していると言われています。

◯栄養補充の補血、それを循環させる活血

補血薬と活血薬からなるシンプルな構成であり、地黄・芍薬・当帰は補血薬として栄養状態を改善。川芎・当帰は補血の効能を全身に広げるために活血薬として作用します。血虚に多くみられる筋肉の引きつりや痙攣にも奏功します。四物湯をベースに他生薬を加減配合して、様々な補血・養血・活血剤が成り立ち、当帰飲子、温清飲、十全大捕湯や芎帰膠艾湯などがあります。