◯手足の強い冷えや凍瘡（しもやけ）に

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は「寒証」に向く処方で、散寒剤の当帰四逆湯に呉茱萸と生姜を加え、温経散寒・利水の効能を強化したものです。寒邪の影響による循環障害から発生する冷えと疼痛（四肢の冷え・凍瘡・下腹部痛など）に対し、温経散寒作用をもつ当帰・細辛・桂皮・呉茱萸・生姜で身体を温め、止痛作用をもつ芍薬・当帰・大棗で痛みを軽減させます。

◯胃腸の冷えから発生する症状にも

寒邪による影響は臓器にも及びます。特に胃寒症状が発生しやすく、胃痛・吐き気・嘔吐などを伴います。散寒剤で身体を温めつつ、理気・止嘔作用をもつ呉茱萸・生姜が胃寒症状を改善してくれます。

◯その他補足

甘草が含まれていることから、多量服用による偽アルドステロン症などの副作用には十分注意しましょう。