漢方薬辞典
しちもつこうかとう
七物降下湯
|説明
◯血虚タイプの高血圧に
七物降下湯は「血虚」から発生する肝陽化風(かんようかふう)による症状に向く処方で、肝血が消耗し、肝陽を抑えられず、過度に肝陽が亢進した状態を鎮める目的で使われます。肝陽が亢進してしまうと、過度の興奮から血管が収縮し、高血圧に伴う随伴症状(頭重感、のぼせ、耳鳴り、眩量など)が出やすくなります。
◯補血と平肝熄風で血圧を下げる
本処方は、血虚を改善する補血処方の四物湯をベースとし、補気作用をもつ黄耆を加味することで、補血薬の吸収を促進しています。さらに、平肝熄風(へいかんそくふう)作用をもつ釣藤鈎、瀉火作用をもつ黄柏を加えることで、血管の過度な収縮を抑え、血虚による高血圧に伴う随伴症状を改善します。