漢方薬辞典

ごしゃじんきがん

牛車腎気丸

説明

◯腎虚に加え、冷えと水滞が目立つ際に

牛車腎気丸は、「六味地黄丸:老化による腎機能低下が原因と考えられる諸症状や、加齢に伴う諸症状の改善に用いる補腎薬」、に、散寒作用のある附子と桂皮、利水作用のある牛膝(ゴシツ)と車前子を配合した処方です。冷えの自覚が強い上に、浮腫などの原因になる慢性の尿路系疾患・頻尿・排尿痛を伴う人に適しています。他にも排尿困難・残尿・排尿後の尿滴下や尿失禁などにも効果があります。

◯耳鳴り・前立腺炎・排尿障害などへ

尿を含めた体内の水のコントロールがうまく機能しなくなる「腎虚」に適し、Ⅱ型糖尿病に対して第一選択として処方されます。八味地黄丸と同等に考えられることが多い牛車腎気丸ですが、排尿異常や浮腫などが強い場合、糖尿病性神経障害・しびれ・耳鳴り・前立腺炎・排尿障害などに対して、より高い有効性が臨床研究で報告されています。尿量の減少やむくみが著しい場合は、牛車腎気丸の適用を検討してみましょう。

◯その他補足

附子が含まれていることから、炎症反応などで局所的な新陳代謝が亢進している人や熱感がある人、小児の陽証に用いる場合は注意が必要です。また、過量の場合、心悸亢進、のぼせ、頭痛、不眠、舌のしびれ、発疹などが現れることがあります。

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