漢方薬辞典
きゅうききょうがいとう
芎帰膠艾湯
|説明
◯出血を伴うあらゆる症状に
芎帰膠艾湯は「血虚」に向く処方で、補血剤の基本となる四物湯に、止血作用の阿膠・艾葉、補気生津作用の炙甘草、を加えた構成になります。元来「妊娠中の下腹部痛や不正性器出血、産後の出血」に用いられていますが、現在は痔からの出血を止め、それに伴う貧血やめまい、手足の冷えなどを改善させる目的にも用いられます。
◯血虚ではなく、血熱による出血には不向き
本処方は「血虚」による出血に幅広く使用できる優れた漢方薬ですが、「血熱」が原因の出血には適していません。のぼせ・眼の充血・鼻血・顔面紅潮などの症状は、体内の過剰な熱が原因で生じる出血で、「血熱」の特徴です。この場合は、黄連解毒湯や三黄瀉心湯といった清熱剤が効果的です。さらに出血が進行し血虚の症状が現れる場合には、黄連解毒湯に四物湯を加えた温清飲が推奨されます。