◯頭部の水滞による、めまいやふらつきに

半夏白朮天麻湯は「水滞」に向く処方で、特に体内（脾胃）で処理できなかった水滞（内湿）が頭部に上逆し、内耳や頭蓋内の浮腫を起こし、発作性のめまいが生じる場合に適しています。現代医療ではメニエール病に相当し、回転性めまい・ふらつき・悪心嘔吐が諸症状として現れます。

◯消化器系の水分処理を改善し、利水消腫を促す

「脾胃気虚」による消化機能や水分の吸収・排泄力の低下による胃内の溜飲（胃内停水）に対して、補気健脾作用の人参・黄耆・白朮・茯苓で対処します。また、半夏・麦芽・陳皮・生姜によって消化管の蠕動運動を促進させ、白朮・茯苓・沢瀉の利尿作用と共に、体の余分な水分を取り去り、悪心嘔吐などの改善を図ります。また、めまい・頭痛などの主症状に対しては、熄風作用（上逆を鎮静させる）を持つ天麻で緩和し、メニエール病に相当する症状を改善していきます。