漢方薬辞典

にょしんさん

女神散

説明

◯女性特有の精神不安から発生する症状に

女神散は女性の「気滞」と「気血両虚」症状に有効であり、総合的な効果を発揮します。特に月経不順・産前産後・更年期障害などの血の道症と呼ばれる諸症状(めまい、吐き気、火照りなど)に有効です。主に香附子、木香、檳榔子などの理気作用が気の巡りを改善し、めまい・吐き気・胸苦しさなどの症状を軽減。当帰、川芎などの補血・活血作用は月経調整や循環改善に役立ちます。黄連・黄芩などの瀉火作用は火照りやのぼせを緩和し、更年期特有の症状を改善します。

◯戦場の兵士たちが服用していた?

女神散はもともと「安栄湯」と呼ばれ、戦場での不安や緊張による心の乱れを和らげるために使われました。兵士たちの「軍中七気」と呼ばれる7つの感情(怒り、喜び、悲しみ、驚き、恐れなど)の乱れを和らげる役割があり、瀕死の刀傷を受けた兵士の錯乱を鎮める効果があったと言われています。後にこの秘薬が女性特有の不調にも効果があることが分かり、明治時代以降「女神散」と改名され、女性の心身のバランスを支える存在となりました。

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