漢方薬辞典
ちくじょうんたんとう
竹筎温胆湯
|説明
◯長引く風邪や感染症に加えて胃腸症状に
竹筎温胆湯は「肺の痰証」に向く処方で、風邪や感染症が治りきらず、黄痰や咳嗽が続いている状態に加え、悪心や食欲不振などの胃腸症状が見られる際に用います。
◯不眠やイライラが併発する場合にも有効
構成生薬として、柴胡・黄連による清熱作用で熱を取り除き、半夏・竹茹・茯苓・麦門冬などの去痰・鎮静作用で長引く咳を抑えていきます。また、精神症状を訴えるものにも有効で、疏肝解鬱作用のある柴胡や香附子、瀉火作用のある黄連や竹茹が配合されているため、イライラやのぼせ・不眠にも有効とされています。さらに、補気作用のある人参・甘草が含まれているため、高齢者の咳嗽や痰のために気分が落ち着かず眠れないといった状態にも有用です。
◯その他補足
なお、甘草が含まれていることから、多量服用による偽アルドステロン症などの副作用には十分注意しましょう。